ADHD(注意欠陥/多動性障害)は、不注意、多動性、衝動性を柱にした障害です。ADHDについて「新しい障害」と考えている方も多いですが実は100年以上前から研究されています。ADHDは「キレル子ども」の代名詞、学級崩壊の原因として新聞やテレビで取り上げられ、非行の予備軍として間違った認識の元知られるようになってきました。認知を集めた結果、誤解を解き、正しい知識の普及に繋がったとも言えます。しかし、ADHDにはまだまだ検討の必要な要素が多く、そういう意味では「新しい障害」と言えるのかもしれません。
落ち着かず、じっとできない、話しを最後まで聞けない、忘れ物が多い、約束が守れない、待つことが苦手、説明が最後まで聞けない、すぐにいらいらする、話し始めると止まらないなど、不注意、多動性、衝動性の言動は誰にでもあるのです。
一方で「ひらめき」というのは不注意によって生まれるものです。衝動性はうまく利用すれば「実行力」につながります。多動はスポーツ、多弁はスピーチの場で才能として活きてきます。このようにプラスに考えることもできるのです。
ADHDの子どもは現在のところ学童期の子どもの3~10%ときわめて高い数値で出現すると言われています。子どもの場合の男女比は4~9:1と特に男の子に多いと言われていますが、大人では男女比が2:1あるいは1:1となっています。これは年齢とともに女性の発見が増え、男性の多くが目立たなくなっていくためと考えられます。解明はされていませんが、女の子の場合は子ども時代に発見しにくいのではないかと言われています。
ADHDは乳幼児期から症状が出てくると言われていますが、はっきりは解明されていません。先天性の器質的要因に加え、遺伝などの後天的な環境要因が関係し、状況、年齢とともに状態が変遷していくもので「軽度発達障害」の一つと考えられています。