高機能自閉症の気付きのポイント

高機能自閉症の気付きのポイント


高機能自閉症やアスペルガー症候群の子どもは年齢によって特徴が変化します。

① 乳児期(5歳前後)

高機能自閉症の場合には、3歳位までに「自閉症の3つの基本的な特徴」が現れます。もちろん子どもによって3つの中にある一つの兆候が強かったり弱かったりしますし、3つの基本的な特徴のすべてが揃わない場合があります。アスペルガー症候群は高機能自閉症と違って言葉の遅れがあまりありません。身辺の自立はある程度でき、社会性に問題があっても母親との関係は良好な場合が多いです。しかし、興味が限られたり、多動があったり、幼稚園等で会話が苦手な場合があります。

② 小学校低学年

6歳以降、高機能自閉症とアスペルガー症候群の区別は難しくなります。集団行動がうまくできない、こだわりを原因にパニックを起こしてしまう、興奮状態が続いてしまう等目立ち始め、行動面での問題が起き始めます。冗談が通じないといったこともその一種です。

③ 小学校高学年

この時期になると子どもによっては非現実的な世界に没頭するようになることがあり、人によってはその状態が20歳代まで続くことがあります。アニメやマンガ等が多いのですが、中には独自に作り出す場合も少なくありません。独り言が目立つ場合もあります。相手の立場にたって気持ちを汲み取ったりすることが苦手で冗談や皮肉を理解することも難しく突飛な発言から友達とうまく付き合えない場合が多く見られます。

④ 中学校以後

高機能自閉症等の子ども達の周囲との関係が大きく2種類に分けられます。消極的で大人しい従順なタイプと積極的で活動的なタイプです。前者は与えられた作業をきちんとこなすため、適応は比較的良好です。後者は一見明るく社交的に見えますが、他人の感情を推し量ることが苦手で場の雰囲気に合わない発言等問題を生じることがあります。この年代以降気をつけることは子どもが敏感になっていくことです。相手の行動を考え過ぎるあまりに、被害者的な気持ちが生じたり行過ぎた思い込みが生じることがあります。独特の杓子定規な会話をからかわれたり、いじめに合ったりするとこの傾向がより強くなり幻覚や妄想を生じることすらあります。