LDの特徴

LDの特徴


LD(学習障害)という言葉は専門家が使う専門用語から、教育関係者が使う教育用語に、そして最近ようやく一般の人々の間で使う日常用語としても耳にするようになってきました。 LDとひとえに説明するのは少し難しいですが「知的発達に大きな遅れはないが、学習面でつまづきや習得の困難を持つ子」と言えます。

それは、知的な発達全体の遅れからではなく、認知発達の部分的な遅れや偏りから起こります。ここで言う認知とは子どもが見たり、聞いたり、触ったり運動したりするときに感じる様々な刺激を脳に取り込む知的な働きを指します。推理や思考等もこれに当てはまります。

正直、保護者の方からは何か障害があるとは思えないという感じです。共通点として他の子とは違う部分でひっかかりや気になることがあったり育てにくさがあるというのがよく耳にするポイントです。 知覚的な鋭敏さ、鈍感さあるいはこだわりの強さ等は、認知面にその子ども特有の発達的特徴によりもたらされているものです。ADHD高機能自閉症など他の軽度発達障害にも共通することとして男児に多くみられるという特徴があります。なので「男の子だから」「元気がいいだけ」「発達的に幼さが残りやすい」と見なされて見過ごされやすいです。

LDは概念として歴史が浅いため他の障害との境界の判断が難しいです。軽度の発達障害と言われてはいますが、そのわかりにくさから対応が遅れ困難を招きやすく、必ずしも軽度と捉えきれないというのも事実です。個性が強いだけで障害ではないのでは?という声もよく耳にします。たしかに、できかたにムラが多かったり、時間がかかったりは誰にでも多少はあることです。しかし、LDのこうした状態はわかりにくいのが実際です。子ども達は知らず知らずのうちに的外れな叱責や無理な努力を負わされていることが多く、沢山の不利を背負わされてしまいがちなのです。

LDはしつけ不足や努力不足によりもたらされるものではありません。LDは理解と支援を必要と呼ぶ個性であるがゆえに障害と位置づけられているのです。